コンゴ民主共和国(DRC)の僻遠地におけるエボラワクチンの投与に関する問題
コンゴ民主共和国(DRC)の保健当局は引き続き赤道州におけるエボラ感染の拡大阻止に努めており、複数のチームがビコロ、Ikoko-Impenge、Itipo、ムバンダカ、イボコ地域の対象者に予防接種を行っています。
同国の保健省は国内の対応を調整しており、世界保健機関(WHO)、国境なき医師団(MSF)、エピセンターなどの組織が支援のため専門家チームを派遣しました。
ムバララ科学技術大学医学部のヤップ・ボーム教授は、コンゴ民主共和国の僻遠地でエボラワクチンを投与することの難しさについての記事を発表しました。
エボラ対策における役割
ヤップ・ボーム教授がエボラ対策に携わるのは今回が初めてではありません。 2012年のウガンダ、キバレ県でエボラ大量感染が発生して以来、同教授はMSFの研究機関であるエピセンターのアフリカ代表としてエボラ対策に従事し続けています。2014~2015年に発生した西アフリカのエボラ流行時には、ワクチンの効果や安全性、ギニアの前線で働く医療従事者における実績を評価する臨床試験の現場とラボとの調整役を担いました。
ヤップ・ボーム教授は現状を把握し、ワクチン投与が感染拡大の抑止策となり得るかを判断するため、エボラの流行が公式に宣言された2日後にキンシャサに入りました。
症例数が増加し、都市部(ムバンダカ)へ感染が拡大していることから、エボラ対策としてワクチン投与を追加すべきであることは明らかでした。
新ワクチンの試験導入
新ワクチンが初めて評価されたのは2014年の西アフリカにおけるエボラ流行時であり、そこで安全性と効果の両方が証明されましたが、同ワクチンの登録プロセスが未だ完了していません。
ワクチン投与は「包囲型」アプローチで行われ、新規患者、診断確定患者とその接触者にワクチンが投与されています。 患者の家族や隣人、同僚、友人が含まれる場合もあります。 エボラ発生地域の前線で取り組む医療従事者もワクチン接種を受けることができます。
ワクチン投与にあたり、特にロジスティクスが不確実で道路やコミュニケーションが不十分な僻遠の森林地帯では、すべての接触者を見つけ出すことは最も難しい課題の一つであり、ワクチンの接種が最も必要とされる人物を特定するのに数日かかる場合もあります。
ロジスティクス
教授の主な役割の一つに、ワクチン投与チームが任務の遂行に必要なすべてのものが手に入る環境を整えることが挙げられます。 今回ワクチン投与を開始するにあたり、現地採用スタッフに対するエボラや試験手順、試験実施基準に関する研修が行われ、 研修内容には必ずワクチンを接種されるすべての人から同意を得ること、そして試験内容や潜在的な副作用について理解してもらう重要性が含まれています。
しかし派遣チームがエボラウイルスの危険性や現場における手順の重要性について教えられる時間は限られているため、この作業は簡単ではありません。 WHOチームはムバンダカで、MSF/エピセンターチームはビコロでのワクチン投与を開始しました。
同教授は次のように述べています。「その後も予防接種運動は続けられてます。 我々は村に足を踏み入れる度に、致命的なウイルスとの接触歴がありながらそれが追跡されていない可能性がある人々に囲まれるというこれ以上なく恐ろしい瞬間に見舞われます。 しかし希望に満ちた人々の目を見て、支援が届かない人に手を差し伸べることで違いを生み出すという、 我々が行動する理由を思い出すのです」
「我々のしていることは時間との戦いです。致命的なウイルスの魔の手が忍び寄る前に、感染の可能性があるすべての人に会わなければならないのですから」 [出典]