ペスト

マダガスカルでペスト発生

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更新: 2017年11月3日

概要

マダガスカルで発生したペストの大量感染は減少していると見られています。 ほとんどの症例はアンタナナリボ・レニボアイトラとトゥアマシナで発生しています。 マダガスカルではペストの大量感染が予想できないことではありませんが、今回の大量感染は大多数の症例が肺ペストを引き起こし、(咳を通じてヒトからヒトへ感染)、人口密度の高い都心エリアを中心に発生していることから異例の事態となっています。

11月2日付WHOの評価「ペストの新たな症例報告が減少傾向にあり、ペストによる入院数が減少していることは明るい兆しであるものの、WHOは典型的なペストシーズンが終了する2018年4月までは、ペストの新たな症例がマダガスカルより報告されることを予想しています。

[...] これまでに得た情報および現時点までに実施された対応策に基づき、全国においてペストの大量感染がさらに広まる危険性は引き続き高レベルであるとWHOは予想しています。 世界的な伝播のリスクは肺ペストの短い潜伏期間、出国時のスクリーニング処置、マダガスカルへの渡航者に対する勧告、隣接するインド洋の島々や南および東アフリカ諸国における準備対策や業務上の準備活動の強化などにより緩和されています。 世界的なリスクは全体的に低いと考えられています。 “ "

症例数

異なる情報源により感染者の人数に相違が出ています。

WHO: 2017年10月30日現在、少なくとも125件の死亡例を含む1800件以上のペスト(肺および腺)症例が報告されています。[情報源: WHOの状況報告 #7、2017年10月31日およびWHOの緊急流行発生ニュース、ペスト - マダガスカル 2017年11月2日]

マダガスカル保健省は、症例の報告方法を変更しました。 Le Bureau National de Gestion des Risques et Catastrophes マダガスカルのWebサイトで最新情報をご覧いただけます。http://www.bngrc-mid.mg 
10月31日現在、1044人が回復、83人が治療中、66人が死亡しています
コミュニティレベル: 62人が死亡/71人が調査中 [情報源: Le Bureau National de Gestion des Risques et Catastrophes マダガスカル 11月1日]

渡航者による感染: 国際バスケットボール競技に参加するため、マダガスカルへ渡航した2人(1人はセーシェル、もう1人は南アフリカに居住)。
10月21日にトゥアマシナで死亡したフランス国籍を持つ1人に対し、ペストの調査が実施されています。 11月の第1週に結果が発表される予定です。 [情報源: 在マダガスカル フランス大使館、2017年10月24日]

被災地

感染被害を受けた地域数に相違が出ています。一時は17~18の地域に被害が出ていると伝えられました。 10月31日 現在、16~22の地域に感染被害が出ているとの情報で一致しています。 症例数のおよそ40%を占めるアンタナナリボ・レニボアイトラ地区が最も被害を受けており、トゥアマシナが後に続いています。 「2017年8月1日~10月27日に、28の地区が肺ペストの確定例および可能性例を報告しました。 肺ペストによる確定例および可能性例を報告した地区数は、過去2週間において12に減少しました。」[情報源:WHOの大量感染およびその他の緊急事態に関するウィークリー告示 2017年10月27日]

10月31日現在、14日前までに症例報告をした地域は、アナラマンガ、アツィナナナ、オート・マジーアラ、バキナンカラトラの4つのみでした。 [情報源: Le Bureau National de Gestion des Risques et Catastrophes マダガスカル 11月1日]

感染地域についてはインターナショナルSOSの地図を参照してください。

医療

10月27日現在、70人を超える医療従事者が感染しています。 [情報源: WHO 10月27日]
一部の医療機関に過度な負担がかかっています。
9つのペスト治療センターが設置されており、そのうち6つはアンタナナリボにあります。 IFRC、MSF、MdM、UNICEF、WHOが支援 [情報源: WHOのマダガスカルにおけるペスト大量感染、外部状況報告 #5、2017年10月20日]

公衆衛生措置

接触者の追跡:患者による接触者の追跡は30%以下 [情報源: BNGRCおよびWHOの共同状況報告 10月23日]

市内における集会やスポーツおよび文化系のイベントは禁止されています。 学校閉鎖 - 一部の私立学校は10月下旬に再開し、公立学校は11月6日に再開を予定しています。

出国時のスクリーニング– 出国する渡航者に対し、サーマルスクリーニングが実施されています。 疑い例は隔離および検査される可能性があります。

その他のスクリーニング - 情報筋によると、バスおよびタクシーの乗客を対象に、また銀行や学校の入り口で気温スクリーニングが実施されています。

セーシェル

マダガスカルより入国する渡航者への対策を実施しています。 過去7日以内にマダガスカルに滞在した人は、Perseveranceに位置する専用の隔離センターで7日間に及ぶ隔離措置を義務づけられています。

セーシェルの疑い例はペストの検査に陰性反応を示しました。 [情報源: WHO 2017年10月18日]

状況に関する潜在的な質問

質問は2種類に分かれることが見込まれます。

I. 大量感染に伴う状況に関連するもの

II. 戦略的なアドバイス、プランニング、訓練の必要性に関する情報

l. 大量感染に関する質問

アシスタンスセンターでは、このトピックに関する質問を法人会員の皆様から多く受けることが見込まれます。 状況に関する情報提供のリソースは以下のとおり:

1. Webサイトのメディカル・アラート
2. 疾病予防関連の記事
3. 情報シートおよびポスター
4. パワーポイントプレゼンテーション
5. よくある質問

1. Webサイトのメディカル・アラート

最新情報についてはメディカル・アラートを参照してください。

状況は速やかに進展し、情報は常に更新されています。 インターナショナルSOSは、以下に関する最新情報を含むメディカル・アラートをライブ発信しています。

• 最新状況
• 症例数
• 輸入例
• 渡航アドバイス
• 公衆衛生に関する規制/禁止事項
• 交通の混乱

上記に関する質問に対処する際は、オンラインにて提供されている最新のメディカル・アラートを参照してください。

メディカル・アラートのアクセス方法

1. Webサイトのメディカル・アラート

www.internationalsos.comにアクセスし、内部の会員番号00AMMS000001を使ってログインします。(この会員番号を公表しないでください)

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ホームページに移動します。 ドロップダウンリストより「マダガスカル」を選定します。

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 アラートがマダガスカルのランディングページに表示されます。

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アラートはスマートフォンまたはモバイルデバイスのアシスタントアプリからもアクセスできます。

2. 疾病予防関連の記事

疾病予防関連の記事は、疫病、地理的な存在、疾患の種類、感染、症状、予防法、渡航者へのリスクについての一般情報を提供しています。

ドロップダウンリストよりペストに関する記事にアクセスしてください。

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3. 情報シートおよびポスター

ペストに関するリスクの自覚ポスター、A3、PDF

ペストに関する衛生情報 PDF(英語)

ペストに関する衛生情報 PDF(仏語)

この情報を誰と共有できますか?
この情報は法人会員およびメディカルサービス会員の皆様と共有することができます。

4. パワーポイントプレゼンテーション

このパワーポイントはインターナショナルSOSの医療スタッフによる会員へのプレゼンテーションに使用されるものであり、プレゼンターまたは観客に合わせて変更することが可能です。 出席者に配布しないでください。 出席者には上記のペストに関する衛生情報を配布してください。 

ISOS_Plague Madagascar_v2_19Oct2017

2017年10月21日付 状況の最新情報 (症例数が更新されたスライド)

5. よくある質問

あなたの質問が以下の情報により対処できない場合は、リージョナルメディカルディレクターおよび医療情報分析部門にエスカレーションしてください。(5MInAteam@internationalsos.com

Q. マダガスカルに社員を渡航させる予定ですが、キャンセルする必要はありますか?

A. マダガスカルへの不要不急の渡航は、予防および抑止対策により大量感染の伝播がとどまるまで延期することをお勧めします。

Q. 今後のためにドキシサイクリンを購入する必要はありますか?

A. ドキシサイクリンはペストの治療および予防のために処方される抗生物質です。

あなたに処方された1回分の薬品を携帯し、医師の判断に従って服用することは妥当だと考えられます。 自己治療は決して行わないでください。

Q. 私はマラリア予防のためにドキシサイクリンを服用しています。 ペストの予防に有効ですか?

A. いいえ。マラリアの予防には1日100 mgの服用が必要です。ペストの予防には、その2倍の服用量が必要になります。

Q. ノミに刺された/動物の死骸または病蓄に触れた可能性があります。 どう対処すればいいでしょうか?

A. 早急に医師の診察を受けてください。 ペストを予防するためにモニタリングまたは医薬品が必要となる可能性があります。

Q. 私はマダガスカルに滞在しています。 近くの人が咳をしていたのですが、暴露した可能性はありますか?

A. 早急に医師の診察を受けてください。 肺ペストは感染した飛沫を通じてヒトからヒトへ広まります。 また、速やかに進行する可能性があり、早くに治療しないと死に至る可能性があります。 肺ペストの患者に接触したと見られる場合には、感染予防のための医薬品を処方されます。

Q. 昨年マダガスカルへ渡航した知り合いが咳を発症しました。 ペストに感染している可能性はありますか?

A. いいえ。ペストは一般に暴露後、2~6日以内に発症します。

Q. 私はマダガスカルに滞在しています。どの病院に行くのが安全ですか?

A. マダガスカルで受けられる医療には限界があります。 医療サポートが必要な方には、インターナショナルSOSが適切な医師をご紹介します。

Q. 私は慢性疾患(例:糖尿病、喘息)を抱えています。 ペストに感染するリスクは高まりますか?

A. ペストに暴露した人は誰でも感染する可能性があります。 医療従事者は病気の人と接触するため、感染のリスクが高まります。

Q. ペストは食物を通じて広まらないので、屋台で飲食することは安全ですか?

A. ペストは食物または水を通じて広がることはありません。 よく知られたレストランで適切に調理された食品は安全に食べられます。

Q. ワクチンはありますか?

A. ペストに対するワクチンは存在しますが、空気感染した場合に効果がなく、入手することができません。

Q. 私は先週マダガスカルに滞在していました。 周囲の人を守るためにできることはありますか?

A. ご自身の健康に注意してください。 発熱、関、息切れなどの症状が現れたら速やかに医師の診察を受け、マダガスカルへ渡航したばかりであると伝えてください。 公衆衛生当局に通知されます。

II. 戦略的なアドバイス、プランニング、訓練の必要性に関する情報

医療スタッフ、僻遠地における設備またはクリニックを持つ医療機関は、これらの質問を受ける見込みがあります。 これらの質問はコンサルティングオペレーションズ、グループゼネラルマネージャー、Christophe Souletieの管理するコンサルティングサービスの範囲内に位置づけられます。